ふと、あれ?と思ったツッコミどころから発生。

ルルの手の傷についてです。










「ルルーシュ・・・その手は一体・・・」
「ん?ああ・・・」

そのまま司令会議に出たルルーシュが自室へ戻った時、ライは変わらずそこにいた。
まだ引きずっている節は否めないが、気持ちを切り替えて業務をこなしているのはさすがと言えよう。
が、その顔は今別の意味で青褪めていた。
その蒼白な顔も愛しいなどと思ってしまうのは、もう自分がライ馬鹿だからなんだろう。
ルルーシュの手に巻かれた真っ白な包帯。
会議の始まる前に、自ら傷つけた場所だった。

「少し手を使って痛めたんだ。別に後遺症が残るわけじゃない」
「手を使ってって・・・・一体何を?」

ルルーシュの表情は冷気が漂う程に無表情になり、ライはたじろぐ。

「スザクの顔を形が変わるまで殴りつけた」

ルルーシュの言葉に、ライは今すぐにスザクの元へ言って謝り倒したくなった。
ルルーシュの気持ちを知っていて応援していたスザクの自業自得だが、ライにとってそんなこととは到底考えられず、自分のせいだとしか思えなかったからだ。
が。

「冗談だ。弾みで可笑しな風に手を突いて少し痛んだから、医療班に行ったんだ。そうしたらやけに手厚い看護を受けて仰々しく見えるだけだ。見た目ほどじゃない」

本当は無愛想な医者の眉間にはっきり皺が刻まれ、そのまま何針か縫うものだったが、ルルーシュはそう言わなかった。
そして素直なライはその言葉にほっと胸を撫で下ろし、それでも心配げに手を見つめてくる。
その手をルルーシュの手に添えて瑠璃の目を不安げに揺らす様は儚くて。
つい、見惚れてしまった。

「今は痛むのか?」
「少しと言っただろう?明日中には取るさ」
「なら、よかった」

肩を落とし、ルルーシュの手を額に当てて安堵するライ。
その様子は、すっかり完璧に先程のことを忘れているようだった。
心配してくれる様子は嬉しいが、ルルーシュの心情は複雑なところだ。あの一件で意識し、自分との関係を顧みて認識してくれればと思ったのだが。
やはり激ニブ王には荷が重かったか。
こんなに間近にいるというのに。
様々な心のやり所に困って、ルルーシュはつい溜息が漏れてしまった。

「ルルーシュ?」

それを聞き取ったライが顔を上げて首を傾げる。

「なんでもない。さて、今日は後何を片付けていく?」

今はライを追い詰めても、さらに頑なにしてしまうだけだ。
そう自分に言い聞かせて、ルルーシュはまたふうと息を漏らした。




ライはちゃんと傷に気付いてたよって話。
中編の作中、二人で調理ではそれとなくライが力仕事してるしね。
もちろんスザクもユフィも気付いたよ。
会議中きっと手の使えないルルの為にスザクはこき使われたんだろうなあ・・・
で、「スザク、ルルーシュを怒らせることしたの?」なんて聞いたりして。
ユフィさんは恋事には敏感なので、ルルの冷たい視線とスザクの居た堪れない目で全て気付いて怒るといいよ。
うふふスザクかわいそ(= ̄▽ ̄=)