わがまま



突然ルルーシュに「なにか一つだけわがままを言え」と言われ、ライは目を瞬いた。
あまりに唐突過ぎて、意味が分からなかったが、ルルーシュの真剣な表情に押され、ライは真面目に受け取り考えた。

「それじゃあ・・・・」

そして、言った答えに、今度はルルーシュが目を瞬かせた。




二人がけのソファの端にルルーシュが座り、ライがソファの大半を占領する。
そして頭はルルーシュの膝に預けて、ライは気持ちよさそうに目を閉じていた。

「なんでまた、こんなことを要求するんだ。お前は」

もっと他にあるだろう?と見下ろすルルーシュへ、ライは目を開けてこくりと首をかしげた。

「ルルーシュだって、前に僕にしたじゃないか。その時のルルーシュが気持ちよさそうだったから、そんなにいいものなのかと思ったんだ」
「・・・・・そうか」

そのときのことを思い出して、ルルーシュは反論できなくなった。
確かに自分が強要したライの膝枕は、とても心地よかった。
決してやわらかく、頭の据わり心地が完璧、というわけではなかったが、それでもどこか安心して寛げるあの感覚は、病み付きになりそうであった。

「気持ちいのか?」

が、やはりルルーシュとライでは肉付きや弾力が違う。
訊ねるとライはうーんと目を閉じて。

「少し硬いかな」

と呟いた。

「でも」
「でも?」

「すごく落ち着く」

付け足された言葉と目を閉じたままの笑顔に、ルルーシュは目を見張る。
そして、「そうか」と呟いた。



いつのまにかライは寝入ってしまい。ルルーシュはその場を動けなくなった。
やわらかな銀の髪を手で梳き、顔にかかったそれを掻き分ける。
あどけない寝顔を見つめて、ルルーシュもまた、目を閉じた。



<了>



なんか、きっと頑張りすぎてたライへ気分転換させようとか、そういう趣旨だったのだと思うです。
そして結局ルルも一緒に癒されるっていうのは、もはやデフォ(笑)

この話は2009.5.25にブログに上げたものです。