伝えたい




夢を見た。
世界を変えるために戦った人の。
戦って世界から追い出された人の。

その流れすらもその人が作ったもので。
来るべき未来を、その人が一番望んでいたはずなのに。

その人は世界が変化した瞬間

世界を去ってしまった。






「ルルーシュ」
「ん?どうした」

「好きだよ」


唐突に言った僕の言葉に、ルルーシュは目を丸くした。
純粋に驚いているその顔は、すぐに困ったような顔になる。

「どうしたんだ急に」

けれど、そんな彼の反応を無視して僕は言葉を続けた。

「僕だけじゃない。スザクもC.C.もカレンもミレイさんもリヴァルもシャーリーもニーナも、ナナリーも、君のことが大好きだよ」

だから、消えてなくならないで。
みんなみんな、君が消えてほしくないって思っているから。

ルルーシュは突然言う僕を、真顔で見つめていた。
僕もそれを見つめる。

「どうしたんだ?」

尋ねられて、またあの夢が浮かびだす。

「ただ伝えたかったんだ」

そう言うと、ルルーシュは再び笑った。

「もう一度、言ってくれないか?」
「うん」

そしてルルーシュのために、僕はもう一度言葉を紡いだ。




ルルー、ルルー
大好きだよ〜

この話は2009.7.25にブログに上げたものです。