白い砂浜、青い海、青い空、白い入道雲。 ヤシの木が生え、小さなカニがそここを優雅に横切っている。 まさに南国。という代名詞そのままに言える景色。 ここはカリブ海沖の某所―――今まさにCR:5はバカンスの真っ最中だ。 これまたボスと幹部とその付き人が勢ぞろい。 根城の心配をしなくていいくらい部下が有能なのは素晴らしいことだ。 そんな杞憂も微塵もしていない付き人その1兼ボス幹部のいじられ役、唯一の女性で最強の怪力の持ち主であるは、バカンスよろしくシャツとハーフパンツを履いて、上司たちを見つめて首を傾げた。 「なんでみんな、グラサンかけてんだ?」 変装?と問い尋ねると、逆に目立つでしょおコレ。ジャンに苦笑された。 「紫外線は目に悪いからな」 そう言ったのはベルナルドだ。 白色人種は目の虹彩の色が淡いせいで、強い光に弱いのだそうだ。 肌質もオイルを塗らないと焼けた痕が酷くなるらしい。 そんなケアなんて縁がなかったせいか、ふうんと気のない返事しかできなかった。 「ほれ、てめえもかけろ」 同じく瞳の色素の薄いにも与えられて、言われるままに真っ黒な眼鏡をかけた。 「・・・・なんつーか、ビミョー?」 しばらく沈黙の後、苦笑いされた。 東洋系の血が年齢より幼くさせているのと、顔の3分の1を覆うグラスが不釣り合いで、大人のマネをして背伸びをする子供のような格好になってしまったのだ。 「かけるのやめていーか?」 寄越される視線が気に食わなくて、つい口から零れた。 「失明したいならはずせばいい」 が、ジュリオの脅迫じみたセリフに、結局かけたままでいることにした。 まっさか。そんな。失明とか。ねーよ。 と思いながら、結局その恐怖に勝つことは、バカンス中なかったのだった。 |