僕は、誰も守れないの? 守る力を、持っていないの? 約束も、命も。 結局僕は、守ることができなかった。 もう誰も、殺したくなかった。 そう、たとえそれが『敵』であっても。 それは誰かにとって大切な人なんだって、僕は知ったから。 だから、アスランの仲間を殺したことを許してもらおうなんて思ってない。 不可抗力だ、とか、本当は殺す気なんかなかったんだって言ったって無意味なことは、分かっているから。 だけど。 「キラ!」 「トール!駄目だ、来るなぁ!」 爆発したスカイグラスパーが。 「…っ…ぁ」 目の前で死んだトールが。 「トールーっ!!」 目の前を真っ赤に染めた。 「アァアスラアァンッ!!」 許せない 許せない 僕が守りたかった人達が、奪われて 血の気が、頭へと登って行くのが分かって 切り合い、切り揉み、イージスがストライクに取りつく。すぐに攻撃があると思いきや、エナジー切れで色がなくなるイージス。 なんとか引き剥がそうとしようとした時、コクピットから出ていくアスランが見えた。 『キラ』 頭の中にフラッシュバックするの顔 光が、何もかもを白く塗り替えた。 それが、僕が覚えていること。 それが全て。 あの瞬間、何もかもを忘れて、僕はまた、誰かを殺そうとした。 それは僕にとって、一生逃れられない呪いだった。 |