訓練風景






銃の取り扱い訓練初日。
それぞれの前に並べられた銃を、生徒の誰もが見つめた。
その感情は恐れであったり、喜びであったり、様々だ。初めて手に持つ銃器に、誰もが興奮していた。

「分解できたものは手を挙げるように。始め!」

教官の声と同時に、全員が銃と格闘し始める。
一本の工具だけで解体できるということは学科で知り、設計図も知っているが、扱いなどしたこともない生徒たちは苦心しながらそれでも解体を続けた。

(難しい・・・)

シンも唯一あるネジを取っただけで固まってしまった。
色々動かしてみても、部品になりそうにない。
そうして、ようやく弾倉が解体できた時。

「できました」

隣から上がった声にシンは勢いよく振り向いた。
ルームメイトでもある少年――・ヤマトは、平然と片手をあげ、教官が来るのを待っている。
そして間違いなく、すべてがバラバラになった銃器が目の前にきっちりと並んでいた。

「お前、なんでそんな早いんだ・・・!」

まだ周りを見ても自分とどっこいくらいだ。それなのにこいつは短時間でやってのけた。
一体何をどうすればこうなるんだ。
それでもルームメイトは特に表情も変えず首を傾げ

「得意だから?」

と、さらりと呟いた。

「手を休ませるな!ヤマト、お前は組み立てだ」
「はい」

教官はの手元を一瞥しただけで次の指示を出した。
それを自然に受け止めるルームメイトに、シンは無性に悔しくなった。

ムキになって乱暴に分解を進める。

「やっとできた・・・」

スプリングが飛んで行きそうになった時は焦ったが、何とかバラけることができた。
教官を呼ぼうと手を上げようとして。

「終わりました」
「だから早すぎだろ!!」

周回遅れの気分にさらされたシンは、思わず叫び声をあげた。














「だって・・・もっと複雑なの、自分で作ってたし・・・・・」
弟君はこれが普通です。