<訓練後風景> 信じられない! 私がこんな成績だすなんて! シミュレーターでのグループ訓練の惨状に、ルナマリアは大きくため息を吐いた。 後ろでは同じチームだったシンとレイが言い合いをしている。お互いに今回の失敗を擦り付けているのだ。 そんな最悪なメンバーにも、ため息がでた。 前回は良かった。自分も調子が良かったし、実際今までの訓練中で一番成績が良かった。 それが、今回は本当にひどい有様だったのだ。 「うおお!今回の俺すごくなかったか!?」 「バッカ、お前じゃなくて俺だよ」 「でもこのスコアはすげーよ?!」 「俺初めてトップグループに入ったんだけど」と騒ぐ別グループの声が聞こえて、ルナマリアは振り返った。 「あ」 いつもあまり目立たないクラスの二人が盛り上がっている。そしてその輪の中に入っている見知った顔は、だ。 二人の喜ぶ顔を見て一緒に笑っている。 「ユーランもロイもすごいよ。俺ここまでできると思わなかった」 「だってそうじゃん!お前の射撃すごすぎ!」 「いくらシミュレーターだからって命中率98%はねーよ」 「あはは。やっぱ俺すごい?」 「俺たちは無敵だー!」とはしゃいでいる3人に、少し擬視感が浮かんだ。 そういえば、好成績を出したとき、と同じ班だった。 まさかあの男、成績を操作してるんじゃあ・・・・ 考えて、そんなことできる訳が無いかと肩を竦めた。 の個人成績は並だ。飛び抜けているのは射撃の腕位で・・・・・・ もしかして、チーム戦のほうが向いてるってこと? もしやと思った推測はコトリと填まりかける。 もしも同じ班になったら、少し観察してみよう。 考えてルナマリアはまだ啀み合っている二人を諫めるために動いた。 この仕事も、私じゃなくてあいつの役目なんだけどね。 |