<ゆきのまやかし>




一面の白い世界。
やみそうにない白い雨

「わぁーっっ雪だ!すごいすごーいっ」
「ほぁ・・・・・・・」

ぼく達は始めてみる銀世界に目を輝かせていた。

「二人とも滑らないように気をつけなさいね」
「「はーい」」




「すごいね〜」
「つべたい・・・・・・・」
「わあ!!?食べものじゃないんだよ?」
「?」

雪をかき氷と間違えて食べちゃったに口を払う。
もう。はじめての雪だもんね。

「ほら!あそぼう!雪だるまつくろっか?」
(こくり)
「まずこうやって・・・・・玉をつくったら転がしていって・・・・・」


そのちょっとだけ目を離した隙の時間だった。


「・・・・・・・・あれ?」


気がついたらがいない。
あたりは真っ白。


「どこいっちゃったの!!?」


慌てて周りを見回すと、小さな弟は遠く離れた方向に走ってて。
雪のせいで見えにくい景色が、を消してしまいそうで。



無我夢中で追いかけた。
雪になってしまう前に追いかけた。



追いついた背中にすがりつく。
「きら?」と、キョトンとしたの目が重なる。
どっと溢れた安堵と、なくなった不安で体が重たくなって、僕はふぅと息を吐いた。

「もぅ。いなくならないでよ」
「ゆき・・・いっぱいあったから・・・・」

そういってさした先には除けてある雪の山があった。

「そっか。あれだけあればすぐに作れるね」
(こくり)


でも。でもすごくびっくりしたから。


「もうぼくのそばを離れちゃだめだよ?」


君がいなくなるのは耐えられないから。



はただこくりと頷く。

「きらがさびしがるからいかない」



ぼくはそれに苦笑いするしかなかった。