<Play by Wonderland 4>
「うぇっ・・・・・きもぢわるっ」
若干危なっかしい足取りで、俺は今、木に何とか凭れながら森の中を歩き続けている。
ケーキにのってるクリームって、破壊力抜群なのな・・・
あのウサギ男に(ある意味)強引にケーキを食べさせられたのまではよかったけど・・・ケーキに攻められるほど食うハメになるとは思わなかった・・・・
なんだあれ?ほとんど大食いのレベルだぞ?あんなの食いきれるかってんだ。
むしろ2ホールを食いきれた俺に賞賛を贈ろう。
「う゛っ・・・・」
思い出しただけで生クリームやらチョコやらの香りが襲ってきて、俺は口元を押さえた。
当分ケーキは見たくない。
ああ、そういえば、あの帽子男、人間じゃないな。
俺が脂汗かきながら食べてる横で、ペースを崩さずに食い続けてた。俺がちら見しただけでも9回は種類が変わってた。
とんでもないケーキ魔人だ・・・・・
とことん進めてきて、何とか断ろうとする俺を笑顔で無視してくるウサギ男より、黙々とウェディングケーキをカケラもなく食べていく帽子男の方が怖かった。
ほんと逃げられてよかった・・・・
胃もたれする腹をさすりながら、俺はウサギ男が言っていた道をまっすぐ歩いている。
ずっとうっそうとした森が続くばっかりで、目的地が見えないことが不安だが、他に頼る情報はない。
なんにしてもこの森から出れば何かが分かる。
そう考えて、俺はひたすら歩き続けた。
そうして、どれくらい歩いただろうか、辺りの木々が徐々に減っていき、俺はとうとう森から抜け出せた。
そして、目の前に見えたのは、大きな城と、それを取り囲む色とりどりの迷路だった。
「広っ」
さらにはそこを中心に広がる野原。
多分これのせいで広く感じるんだろうな。
よし!もうゴールは目の前だ!!
俺は駆け出そうとして、
「う゛っ」
まだ残っていたケーキのダメージに腹を抱えた。
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