日にちは決まった。
しかし、あまり日がない。
その限られた時間で何をするか、考えなくてはならない。
<君へ贈る大切なもの 2>
まずはライへ贈るプレゼントの用意からだ。
だが、それが本当に難しかった。
友人などにあげるような代物ではまず駄目だ。ライが喜んでくれてもルルーシュの完璧主義が許さない。
かといってナナリーのように好みのすべてを知っている訳ではなかった。
そのため、一体何をプレゼントすれば良いのか、悩むことになった。
(俺としたことが・・・・ライのことはすべて把握していたと思っていたのだが)
ライの能力は逐一把握していても、好みのものになると話は別だった。
ライは奇天烈なものでなければ何でも食べているし、服装にもあまりこだわりがあるわけではなかった。
甘いものが好きな用ではあるが、ただ食べ物を与えるだけで終わらせたくはない。
装飾品など渡すにしても、あまり高価なものだと貰わない確率が高いだろう。
現在潤っているからといってこの先もそのままではないだろうと、まるで主婦のようなことを考える傾向にあるからだ。
もちろん、それはルルーシュにも当てはまることなのだが。
(リサーチを取るしかないな・・・)
仕方のないことだろう。
不本意ではあるが、調べないことには始まりそうにない。
自分よりも他人がライのことを知っていると認めている気分になって腹立たしいが、背に腹は変えられないのだ。
「ライさんの好きなものですか?」
「ああ。何か知ってるかい?ナナリー」
まず一番に訊ねたのは、愛妹であるナナリーの元だった。
ライはよくナナリーの所へ遊びに来るし、ルルーシュの精神的にも、妹の情報の方がショックが少ないと判断したからだった。
そんな兄の心を知らず、ナナリーは可愛らしく首を傾げて考え込んだ。
そして、何かを思い浮かんだのか、咲世子に「あれを持ってきてもらえませんか」とお願いした。
「ひょっとしたら、これがお好きかもしれません」
そう言って差し出されたのは折り紙で作られた桜だった。
最近のナナリーのお気に入りでもある。特に最初に作ったであろうこのピンクの桜を、ナナリーはいつも大事にしていた。
「この折り紙は、ライさんが教えてくれたんですよ」
「ライが?」
ナナリーが一生懸命折っていたのを覚えていたが、これをライが教えたというのか。
「まだ記憶が戻られていないときに、手が覚えているといって作ってくださったものなのです」と説明するナナリーになるほどと頷く。
記憶を失っても折り方を覚えているほどのものならば、確かにライの中で大きな意味を持っているだろう。
「ありがとう、ナナリー。参考になったよ」
「いえ。お祝いの時には私も呼んでくださいね」
「もちろん」
日程の書いた紙を咲世子に渡し、ナナリーに口頭で伝えてから、ルルーシュはその場を後にした。
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